ペルシャ絨毯展とサヘルローズさん
イラン大使館で昨日から開催されている国営工房名作展という催があり行ってきた。 ㈱テクスインテのモアフィさんから随時展示会のご案内をいただいていたのだが、今回はイラン大使館での開催、しかもタレントのイラン人の女性が絨毯織りの実演もされるということで、出かけたのである。モアフィさん、有難うございました。
イランは28歳のころ、今から30年くらい前に仕事で1年半くらい駐在していたことがあり、とても思い出深い国。特に同年代の現地の方々とカスピ海方面へ休暇で旅行に行った時の印象が大きい。田んぼでのウサギ狩り、民宿、田舎の料理、馬に載せてもらったこと。山の別荘で密造したビールを仲間と飲んだこと。夜中に月夜の空の下でトイレをしたことなどなど。カスピ海の浜辺に小エビみたいな生き物が多くいたことも。
私が赴任したころはイラン・イラク戦争の最中で空襲警報もホテルで1-2回鳴った記憶もある。当時はEnghelab Hotelというキッチン付きのホテルで、東陽通商(現東陽テクニカ)さんの山口さんと荏原ポンプの方と共同自炊みたいなこともやっていた。このお二方さんとはだいぶ親しく付き合い、特に山口さんとは週末のゴルフによく一緒に出かけた。
そんな思い出があるイランだが、今回絨毯展に行ってきて改めてペルシャ絨毯のすばらしさを堪能してきた。そしてチャイも味わい、昔を思い出して感慨にもふけった。
このサイズは玄関に使えるサイズのシルクの絨毯。25万円から50万円。織り上げるのに一人で約半年間掛かる。
会場にはイランの10ほどの生産地の絨毯が展示されていて、どれも欲しくなるようなものばかり。
これで300万円くらい。
イランでは織り娘の数が減ってきていて、そのため絨毯の価格はだいぶ高騰しているそうだ。
昔は人口の1割くらいが絨毯産業に従事していたそうだ。日本の自動車産業のようなもの。高騰の原因のひとつは、絨毯を織るより稼げる仕事が増えてきたこと、絨毯を織る作業は過酷なことがあるそうだ。
これは高級品の部類の絨毯。すばらしい薄緑系の色が出ている。300万円くらい。
さて絨毯を織るのが趣味というタレントのサヘル・ローズさん。イランの方なので絨毯を織っても不思議ではないが、でもタレントでペルシャ絨毯を織れるというのはかなり特異なケース。
とても綺麗なかたです。日本語は全くぺらぺら。それで絨毯展を終えた後、Xperiaで彼女のことをチェックしてみたらびっくり。大変な過去を持っておられる方でした。私がテヘランで仕事をして日本に帰ったあとかと思いますが、イランの北東部でイラク軍の爆撃で家族全員が亡くなり孤児になってしまったのだそうです。まあ、その後も大変な人生を歩んできているようですが、縁有って日本で仕事をしておられ、元気に過ごしておられるようです。
そんな過去を持っているとはつゆ知らず絨毯展の帰り際、彼女の人柄が好きになり、つい頑張ってねと声を掛け分かれました。
ちょっとしんみりした帰宅となりました。
これは帰り際に頂いたチャイイ。
サヘルローザさん、そして天使のようなお母さんのフローラさん、お元気で。そして機会があればまたお会いしたいです。